2017年度 江藤心晴さん(中2)

そろばんが私に教えてくれたこと

そろばんを習い始めたのは、家に遊びに来てくれた二つ上の友達が素早く指を動かしながらそろばんをはじく姿を見せてくれたことがきっかけです。私が三歳の時で今もその光景をよく覚えています。

もともと恥ずかしがり屋の私は一人でなかなか教室に入れず、先生が入り口まで迎えに来てくれることもありました。「よーいはじめ!」「やめ!」の大きな声にビクッとしたことや、机が高すぎたのでお風呂用の小さな椅子に座って練習していたことも良き思い出です。

 

そんな私がそろばんを頑張るようになったのは、初めて見た宇部の大会で先輩たちがトロフィーを持って壇上に並ぶ姿に、いつか自分もそうなりたいと夢見るようになってからです。それからは、毎日欠かすことなく練習を続けました。そのかいあって、大会での成績や検定試験に成果が表れ、他の教室の友達とも仲良くなるなど、そろばんが楽しくて仕方ありませんでした。

 

しかし、三、四年生の頃はどんなに練習しても不合格が続き、大きな大会ともなるとプレッシャーに押しつぶされ、自分自身が悔しくて涙を流すことも多くありました。どんどん気弱になる私を、先生にはいつも気にかけていただき、先輩や仲間が何度も優しく声をかけてくれ、両親が寄り添ってくれたおかげであきらめず練習を続けることが出来ました。

 

その結果、五年生の時の中国五県大会では、個人競技と大好きな仲間と挑んだ団体競技共に念願の成績を残すことができ、夢を叶えることが出来ました。その瞬間は辛かった二年間を支えてくれた先生も両親もそっと涙を流して喜んでくれました。

 

これからも夢を叶える過程ではきっと、あの苦しかった二年間のように自分との戦いが待っていると思います。

その時はそろばんが教えてくれた「あきらめない心」、「努力し続ける大切さ」、「人を思いやる気持ち」を胸に、挑戦し続けたいと思います。